豪ドル/円相場は、1豪ドル=91~92円の狭いレンジで揉み合う展開になっている。対米ドルで豪ドルと円の双方が強含む中、豪ドル/円は明確な方向性を打ち出せていない。米暫定予算や連邦債務上限問題を巡る混乱状況から対米ドルでは豪ドルが買い直されているが、リスク投資環境の悪化で資源国通貨を積極的に買い進むことに対しては慎重ムードも強く、身動きが取れない状況になっている。
豪経済指標は強弱まちまちの内容になっているため、豪ドル相場に対する影響は限定されている。9月のAigサービス業指数は前月の39.0から47.1、建設業指数は43.7から47.6までそれぞれ改善しているが、8月住宅建設許可件数が前月の+10.8%から-4.7%まで下振れし、8月貿易赤字が前月の7.65億豪ドルから8.15億豪ドルまで拡大するなど、豪経済のトレンド把握が困難な情勢になっている。10月1日のオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)金融政策決定会合では政策変更が行われなかったこともあり、豪ドルサイドの環境は材料視しづらい状況になっている。今週は中国関連も特に注目度の高い経済指標の発表などは予定されておらず、10日発表予定の9月豪失業率にサプライズが無ければ、豪ドルサイドから積極的に仕掛けるような動きは限定されよう。
このため、米予算協議の進展状況が注目されることになるが、この問題は豪ドル高と円高圧力を拮抗させていることで、豪ドル/円相場に対する影響は限定される可能性が高い。ただ、予算協議に進展がみられれば豪ドル高・円安の方向に振れる可能性が高く、現状は豪ドルの一時的な押し目との評価で十分だろう。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線92.21円を下抜き、雲上限の90.43円水準が次の支持線になる。抵抗線は転換線91.75円、その上は9月19日高値94.44円。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から6勝6敗に。14日RSIは49.74。